アラビアオリックス保護区が世界遺産登録を抹消された経緯とは??

一度は野生種が絶滅したアラビアオリックス(ウシ科の動物)。

中東・オマーンにあるその保護区は世界遺産登録を抹消された第一号として、

これからもその名を忘れられることはないでしょう。今回はそんなお話。

 

前編はこちら⇒世界遺産登録抹消第一号はどこ??なぜ抹消されたの??

 

国際的なプロジェクトである「オリックス作戦」により完全な絶滅を免れ、

オーマンのアラビアオリックス保護区にほぼ野生に近い形で育成されることに。

しかしその後、数年間で、実に波乱万丈な運命を辿ることになります。

 

↓↓アラビアオリックスのフィギュアです。

アメリカのフィギュアメーカーSafari社のフィギュア。

別アングルからのアラビアオリックスも可愛い^^

 

オマーンに運ばれたアラビアオリックスの数奇な運命とは?

1994年に中東オマーンの国王により設置されたアラビアオリックス保護区、

2年後の1996年には450頭にまで増加するものの、3年後の1999年には85頭、

2006年には65頭にまで減少。原因は密猟者の増加と不十分な取締体勢。

 

生きたアラビアオリックスを密輸しようとする輩が後を絶たなかったそうです。

美しい姿・珍しい角などが狩猟家を駆り立ててしまうんでしょうね・・・。

 

アラビアオリックスにさらなる不幸が…保護区を1/10に削減!?

そんな状態にある中、2006年オマーン政府は油田などの資源開発の為、

アラビアオリックス保護区を1/10に縮小する衝撃的な方針をユネスコに提出。

 

半分とかならまだしも一気に1/10なんて言い出したものだから、

ユネスコもびっくり!急遽調査団を組織して現地に派遣しました。

 

調査の結果、全65頭いるうちメスが4頭のみという悲惨な実情が判明。

 

このままアラビアオリックスの保護区を縮小すると

再度絶滅の可能性があると判断したユネスコは、2007年5月に

保護体勢を強化するために、この土地を、危機にさらされている遺産リスト

(危機リスト)に登録するようにオマーンに提言。

 

さらに、7月にニュージーランドで開催された第31回世界遺産委員会でも、

オマーン政府のアラビアオリックス保護区の縮小提案を拒否しました。

 

しかし、オマーンは保護区削除の姿勢を翻すことなく、

「アラビアオリックスを保護・管理を続ける能力も意思もない」と表明、

世界遺産からの削除を求めたため、世界遺産登録抹消となりました。

 

ユネスコは、アラビアオリックス保護区を守りきれなかったことに対して、

無念であり、本意ではないというような内容のプレスリリースを公表しています。

 

富士山の世界遺産登録抹消の危険性は??

このように、世界遺産登録抹消というのはかなり強引な要因があり、

こうなったら削除するしかないよなーとユネスコの決定にもうなづけるお話。

 

では、富士山は登録抹消される危険があるのか??というと、

可能性としてはあまり考えにくいと思います。観光地として人が増えて、

あまりにも景観が損なわれるようなことがあったり、周辺地域や日本政府が

富士山の管理を放棄するようなことがない限りは大丈夫ではないでしょうか。

 

なにより富士山が文化的に芸術に貢献した功績は大きいですし、

「世界文化遺産」として登録されてるのも大きなポイントかなーと思います^^

だけど、これからも油断せずに日本の大切な宝を守っていけたらいいですね♪


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