不定愁訴(ふていしゅうそ)とは。不定愁訴外来は実在する??【チーム・バチスタ】
海堂尊さんの医療ミステリー小説『チーム・バチスタの栄光』の主人公、
田口公平(映画では田口公子)が勤務する愚痴外来こと、不定愁訴外来。
この作品で初めて「不定愁訴」という言葉を知った方も多いのではないでしょうか。
なんとなくわかるようでわからない不定愁訴という言葉の意味と、
実在するなら行ってみたい!?不定愁訴外来というものが本当にあるのか、
不定愁訴の対処方法などについて調べた調査結果をまとめました。
チーム・バチスタの栄光。映画版とTVドラマ版。
ストーリーもキャストも違う、3粒おいしい作品ですね ^^
不定愁訴(ふていしゅうそ)という言葉の意味や症状とは??
まず『チーム・バチスタの栄光』内での不定愁訴の定義を見てみると・・・
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「不定愁訴」とは、軽微だが根強く患者に居座りつづけ、
検査しても器質的な原因が見つからない些細な症状全般、
すなわち「愚痴」である。
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と、あります。不定愁訴に対してかなり厳しい視点。
だから、田口さんが勤務する「不定愁訴外来」は
「愚痴外来」と呼ばれるんですね。
※器質的な原因が見つからないというのは、
内臓などの体の組織(器質的)に異常が生じて
起きているわけではないという意味です。
実際に不定愁訴として扱われる症状としては、
・頭痛 ・動悸 ・のぼせ ・不眠 ・めまい感 ・疲労
・発汗 ・吐き気 ・食欲不振 ・手足のしびれ ・イライラ
などが挙げられ、秋の心のように揺れ動く症状なのが特徴。
検査をしても原因となる病気が見つからない状態を「不定愁訴」と呼ぶ場合と、
お医者さんに相談したかどうかに関わらず、こういった症状そのものを
「不定愁訴」として扱う場合があり、特に厳密な定義はなさそう。
不定愁訴の原因は??対処方法はない??
こんな「特にお医者さんに行くほどのことではないけれど、
生活していくうえではちょっと厄介な症状」である不定愁訴ですが、
自律神経失調症やうつ病などのストレス性のものや、貧血、子宮筋腫、
心臓疾患、高血圧、消化器系疾患をはじめとする器質的疾患の初期にも
見られる症状であるため、自覚がある場合はお医者さんへの相談が吉。
原因となる病気がある場合には早期発見や治療につながり、
特に大きな異常がない場合には「よかった」と、安心することにより
症状が緩和されることも多いそうです。病は気からですね。
ちなみに、QLifeとWoman Exciteの共同調査によると、
不定愁訴の自覚症状がありながら、医師に相談したことがない女性は
5人に1人というデータもあるほど見過ごされがちな症状ですが、
「このぐらいは誰もが感じてる不調だ」「大したことない」と見過ごさず、
ご自身の健康管理の観点からも病院での検診がオススメです。
また、「多くの不定愁訴は冷えと血の巡りの悪さが影響している」
という意見もあり、お医者さんと相談した上での漢方治療や、近頃人気の
「よもぎ蒸し」など、生活の中に漢方を取り入れるという選択肢も
試してみる価値がありそうです。
不定愁訴外来は実在するのか??
田口先生のようになんでも気軽に相談できる
お医者さんや窓口があれば、とても心強いですよね。
そう思って不定愁訴外来を探してみたのですが・・・。
ネット上で不定愁訴外来を名乗るお医者さんをちらほら見かけましたが、
『チーム・バチスタの栄光』以前から存在していたかどうかはわからず。
元々、正式に存在するような外来ではないと思われます。
実際の医療現場で不定愁訴外来に似たような役割を果たしているのは、
カウンセラーや心療内科の存在ではないでしょうか。
とはいえ、近頃カウンセリングや心療内科の敷居は大分低くなったものの、
なかなか「気軽に相談」という感じではないかもしれませんね。
そういった点からも、
気になる症状や、聞いてほしい話があったときに、
なんでも気軽に相談できる「かかりつけのお医者さん」を、
健康なときから探しておくのがベストなのかなぁと感じました ^^