雪国まいたけお家騒動の全貌!創業者大平喜信氏と現経営陣の対立の終末は!?<後編>
雪国まいたけが先日発表したベインキャピタルが実施したTOBが成立したというニュース。
その裏に隠された雪国まいたけ創業者と経営陣の対立について調べてみました♪
詳しく知りたい方は、この記事を先に読んでくださいね ⇒「雪国まいたけ 泥沼の内輪もめ!創業家と対立する経営陣の関係や対立までの経緯とは?」
雪国まいたけが作った青汁。可愛いほのぼのとしたキャラクターとは裏腹に、
雪国まいたけの内部事情はかなり泥沼の混乱状態に陥っていたのでした…。
雪国まいたけに外部から招聘された3人目の幹部とは…
雪国まいたけ経営混乱のきっかけとなったのは、
創業者の大平氏が外部より招聘したA氏が過去の不正経理を暴いたこと。
そして同じく大平氏によって招聘され社長の座を継いだ星名光男氏が就任後に
大平氏の経営関与を薄めようとしたことを受け、2014年株主総会で大平氏創業家一族が
星名氏をはじめとする経営陣を半ば強制的に退任するという騒動に続きます。
詳しくはこちら⇒雪国まいたけお家騒動<前編>
そして星名氏の次に社長に就任したのが、これまた大平氏が用意した
大手自動車メーカー「ホンダ」の元専務・鈴木克郎氏。他にもホンダ出身の方や
日銀元政策委員会審議委員の方が雪国まいたけの役員に選出されました。
1人目のA氏は大手自動車メーカー最年少役員、
2人目の星名氏は大手流通会社「イオン」の元専務、
3人目の鈴木氏は大手自動車メーカー「ホンダ」の元専務。
A氏から続く3人の外部出身のエリート幹部たちの出自を見て、
大平氏のコネクションもすごいなと感じます。
そして鈴木氏が就任した後の動きは…想像どおり。
鈴木氏就任後、わずか数ヶ月で鈴木氏側・現経営陣と、
大平氏の間に経営方針に違いが生じ、溝が埋まらない状況となりました。
鈴木氏はやはり大平氏の影響力の排除を推し進める姿勢をとり、
それに対して大平氏が不穏な動きを見せたため、危機感を持った鈴木氏は
メインバンク・ベインキャピタルと手を組んで今回のTOBに踏み切りました。
大平氏は前回の騒動に懲りず、過半数を保有する株式を背景に
再度2015年3月に臨時株主総会を開き、創業家と考えを同じにする人物を
取締役に送り込むことなどを画策し、2014年11月から手続きを開始していたそうな。
取締役を退任し経営に関与しないはずの大平氏がここまで経営に関与し、
自ら選出し招聘した役員を なんの躊躇いもなく切り捨ててきた姿勢を見ると、
今回鈴木氏が決断した創業者を経営から排除するための試みは、雪国まいたけの
存続・発展のために、誰かがとらざるを得ない方法だったとも感じます。
2013年退任に追い込まれたA氏の反撃から2年弱…、
雪国まいたけの長引く混乱の原因は、キノコに強烈なこだわりを持ち、
会社に愛着のある創業者大平義信氏と、利益とコンプライアンス(法令順守)を優先し、
コストカットやリストラも躊躇なく行う、経営のプロである鈴木氏ら外部エリート役員たち、
両者の意識の差が埋まらないことだと、雪国まいたけの幹部の方は言います。
今回のTOBで雪国まいたけの経営が安定・発展するといいですね ^^
雪国まいたけ社長大平喜信氏とは
大平喜信氏は中学卒業後に様々な職を経て、「太もやし」の栽培に失敗した後、
実現が難しいといわれていた「まいたけ」の人工栽培に着手・成功し、
1983年35歳の若さで「雪国まいたけ」を創業。
まいたけを低価格で提供し、裸一貫から雪国まいたけを年商約300億円、
従業員数1900人、国内シェア60%を誇る一大メーカーに育てあげた人物。
キノコと会社に対する愛情が強すぎたのか…
持ち株の大半をベインキャピタルに買収された大平氏は今後どうなるのでしょうか。
「たとえ会社をアメリカのファンドに取られたとしても、私はこれで終わるつもりはない。
人生を捧げてきたキノコ産業の発展と普及のために、死ぬまで頑張るつもりだ」
とは、今月3月の大平喜信氏の言葉。
その情熱をよい方向に傾けてほしいと願うばかりです。
もっと詳しく知りたい方はこちら⇒「雪国まいたけお家騒動<前編>」