京都文化博物館【みんなのミュシャ展】に行きました!混雑状況や感想など【ミュシャからマンガへ―線の魔術】

2019年10月12日~2020年1月13日まで京都文化博物館で開催されていた、「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ―線の魔術」展に行ってきたので、感想や混雑状況をまとめたいと思います。

ぶらぶら美術・博物館 プレミアムアートブック/特別編集 みんなのミュシャ Special (カドカワエンタメムック)

「みんなのミュシャ展」を、BS日テレの人気アートバラエティ「ぶらぶら美術・博物館」メンバーが分かりやすく&楽しく解説するという雑誌です。思い出に浸るにはいいかも。

 

なんでこの展覧会を見に行ったのか

大阪府堺市にある堺市文化館「堺アルフォンス・ミュシャ館」に行ったこともあるぐらいには、ミュシャが好きだったので、行ってみました。

これまでも関西で開催されたミュシャ展には何度か足を運んでいるかも。何回見ても飽きないんですよね。美しく、近代的で、書き込みが細かい、高クオリティな作品。

と、言いつつ、今回の展覧会を見るまで、ミュシャさんは女性だと思っていました^^;

こんな繊細で麗しい絵を描くのはきっと女性だろうなって勝手に思い込んでいたのですが、男性だったんだと知って、驚きました。

今回の展覧会で、日本の女性漫画家さんの作品が並べられているのもすごく納得。

 

みんなのミュシャ展の感想

行ってよかったです。ミュシャさんの作品だけを並べてある展覧会はよくあると思うんですけど、今回は趣が違って、

ミュシャさんに影響を受けた、アメコミの作家さんの漫画とか、日本の漫画家さんイラストレーターさんの作品も一緒の会場に並べてあって、

現代のアーティストへの計り知れない影響の大きさを感じるとともに、脈々と受け継がれているミュシャさんの精神に感動でした。思い出しても泣けてきます。

遠く隔たった異文化の土地であるにも関わらず、これほどミュシャさんの作品が世界的に受け入れられていること、今見ても、古くささを感じないミュシャさんのスタイルはちょっとこの世のものとは思えないなーって思いました。

ピンクとか薄いグリーンとかの、パステルカラーの壁もミュシャさんの作品にマッチしてて素敵でした^^

千葉雄大さんの音声ガイドも惹かれた~。けど、借りなかった><

 

1.序―ミュシャ様式へのインスピレーション

最初に一番印象に残ったのが、ミュシャさんが8歳ぐらいの時に書いたキリストの絵。

日本ではあまりキリスト教になじみがないので、子どもが描いたキリストっていうのも見る機会はないですけど、それでも圧倒的に「なにか違う感」を醸し出していました。

ミュシャさんが影響を受けた、チェコの民芸品とか、龍模様や花鳥模様の七宝焼きの花瓶などが飾られていたり、ミュシャさんのバックグラウンドを紹介するような展示でした。

日本の文化が紹介されて、注目を集めていたんだよーとか。

 

2.ミュシャの手法とコミュニケーションの美学

自画像から始まり、ミュシャさんがお知り合いの発行する雑誌のために手がけたタイトルロゴや表紙デザインから、ページレイアウトなどが多数展示されていました。

あとは新聞売りの少年のスケッチとか、男性の手の動きを表す習作とか。

数々の雑誌の表紙が展示されていたんですけど、そこに描かれた模様や草花ひとつひとつに意味が込められていて、ただ美しいだけじゃない奥深さに驚嘆でした。

絵が描けるだけじゃない!知識も豊富、感性がとにかくすごいなー、ミュシャさんは「適当」とか「妥協」っていう言葉を知らないんじゃないかなって思いました。

雑誌の表紙絵をひとつ書くにしても、実際のモデルを用いた写真を参考に描いたりしていたのも、面白かったです。

 

3.ミュシャ様式の「言語」

ミュシャさんの作品でおなじみ、サラ・ベルナールさんを描いた作品がようやく出てきました。

写真撮影OKなコーナーもあって、3作品ほど撮影可能になっていました。割と空いていたので、ちょっと待ったり、気を遣うぐらいで、皆さんいい感じに撮影されていました。

髪の毛のひとつひとつを装飾的に描いたり、「鏡によって無限に変化する装飾モティーフ」とか、永遠に眺めていたいぐらい美しい模様が満載で、楽しかったです。

「黄道十二宮」とか、有名な作品もたくさん展示される中、習作の展示も非常に多くて、ミュシャさんの尽きない探求心やスキルを磨く向上心に打たれまくりです。

私たち素人から見れば、すでに充分完成しているのに!さらに研究や試行錯誤を続けていた姿勢がすごいですよね。

 

4.よみがえるアール・ヌーヴォーとカウンターカルチャー

このコーナーでは、ミュシャさんの作品も展示されていたのですが、ロック好きにはたまらない、ミュシャさんのアートに影響・触発された、アーティストたちのCD(レコード)ジャケットが壁一面に展示されているコーナーがありました。

有名なところで、

・グレイトフル・デッド
・キング・クリムゾン
・ザ・ローリング・ストーンズ
・シン・リジィ
・ダイアナ・ロスとザ・スプリームズ
・イエス

などなどなど。

あとは、

・ピンク・フロイド
・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス
・ドアーズ

などの、コンサートフライヤーも展示されていました。

これは見応えがありましたね。見たことある!というような、有名なアートワークもありました。

そして、このコーナーの最後には、ミュシャさんに影響を受けたアメコミ作家さんたちの表紙絵などが展示されていました。マーベルコミックスとか。

ぱっと目の前に出されれば、よくあるパターンのデザインとスルーしちゃうぐらい見慣れたパターンなのに、それがミュシャさんが発端になっているっていうのにびっくり。

それだけ普遍的なデザイン「Q」のデザインを確立させて、今の今までそれが当たり前のテンプレートのように受け継がれているっていうのは、やはりものすごいことだなーと思います。

 

5.漫画の新たな流れと美の探求

ここからは、ミュシャさんの日本への影響を感じさせる作品がたくさん展示されていました。

一番有名なのは、藤島武二さんの「みだれ髪(与謝野晶子)」の表紙でしょうか。今見ても格好いい!クオリティ高いなーと思いました。

「明星」の表紙とか、今見たら「これはアカンやろー」と突っ込みたくなるほどのミュシャさんの完コピデザインもありましたが、時効でしょうか。

いつも「あまりにそのまますぎて」ぎょっとするんですよね…^^;

「ヒヤシンス姫」も可愛くて素敵でしたが、個人的には、鉄道会社のPRのために描かれた「モナコ・モンテカルロ」が最高でした。

旅の楽しみを、風景とか情景で描くのではなくて、旅の楽しさを夢見るような少女の表情と、鉄道の車輪とレールをお花のラインで描くお洒落さ!!

誰も叶わないわ…と思いました。

そして、今回一番見応えがあったと感じるほど、印象的だったのが、日本の少女漫画の作家さんやイラストレーターさんの作品の展示です。

・水野英子さん
・山岸凉子さん
・花郁悠紀子さん
・松苗あけみさん
・波津彬子さん
・天野喜孝さん
・出渕裕さん

以上の錚々たる顔ぶれが勢ぞろい。

私は、天野喜孝さんしか知らなかったんですけどね^^;

ミュシャさんの作品が、これほどまでに日本の少女漫画界の方々、特に女性漫画家さんの世界観に影響を与え、リンクしているということは、今回の「みんなのミュシャ」展を見て知ることができたので、すごく大きな収穫でした。

色彩鮮やかで美しい少女漫画、そして、天野喜孝さん、出渕裕さんの作品を間近で見れたこと、とても幸せでした。

 

みんなのミュシャ展の混雑状況

今回は、最近の展覧会でよくある、部屋の真ん中に作品を展示する棚みたいなのがなくて、基本的には全部の作品が壁面にかけられていました。

なので、部屋の真ん中の空間は特に人がたまることもなく、めちゃくちゃ混んでるなという感じはしませんでした。展示会場の中に置かれている椅子も座り放題みたいな感じで。

天気もわるくなかったですが、土曜日にも関わらずお客さんもそんなにいない感じで、前の人がゆっくり絵を見るタイプの人だとちょっと待つかな…っていうぐらい。

それがもどかしい場合は、ほかの作品を見れば、どこかは空いている感じでした。運がよかったのかもしれないです。

 

みんなのミュシャ展のお土産

色々なものが販売されていましたが、印象に残ったのはニーハイソックスとタイツです。ミュシャさんの作品がプリントされていて可愛かった!

不二家のペコちゃんとのコラボレーションお菓子もあって、ミュシャさんの絵画の中にペコちゃんがはめ込まれている缶が可愛かったので、お土産に購入しました♪

 

アルフォンス・ミュシャの世界 -2つのおとぎの国への旅-

「みんなのミュシャ」展、メインビジュアルのヒヤシンス姫。頭に飾られた赤いヒヤシンスも素敵ですが、星でできた輪っかに指をかける左手が可愛い。

1911年の時点で、六芒星をこんなに可愛くアレンジというかデザインしちゃうミュシャさんは、これからも私の心を串刺しにして離さないなーと心から思ったのでした。

ぜひぜひ興味のある方は、行ってみてくださいねー☆

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