ついに富士山が世界遺産として正式登録されましたね!
そんな喜ばしい?(国内でも賛否両論あるようですが・・・)ニュースの裏で、
富士山を世界文化遺産として登録するために大きな役割を担った機関。
それが、国際記念物遺跡会議(イコモス)です。
堂々とそびえる富士山と桜。
国際記念物遺跡会議(イコモス)とは?
国際記念物遺跡会議とは、ユネスコ(世界遺産委員会)の諮問機関。
ユネスコに対して意見を提示できる、とても影響力のある機関ということです。
最終的に候補地の現地調査を行ない、世界遺産に登録するかどうかの勧告を行います。
世界遺産には文化遺産と自然遺産と、その両方が合わさった複合遺産があり、
国際記念物遺跡会議(イコモス)は文化遺産候補についての調査を行なう機関です。
International Council on Monuments and Sitesの略でICOMOS(イコモス)。
ちなみに、自然遺産候補についての調査を行なうのは、
国際自然保護連合(IUCN)という別の機関だそうです。
なぜ富士山は自然遺産ではなく文化遺産なの?
富士山は山だし、文化遺産じゃなくて自然遺産じゃないの?
という疑問がそこかしこで聞かれ、私も当然そう思いました。
というわけで、色々調べてみたのですが、
富士山は残念ながら、自然遺産としての登録基準を満たせなかったそうです。
一時期盛んに報じられた富士山のゴミ問題・汚物処理問題などが主な理由。
2003年時点で国内の検討会で落選してしまうぐらいのレベルだったそうです。
それでも、富士山を世界遺産に!!
との思いから、文化遺産としての方向性で検討が重ねられ、
2007年に世界文化遺産登録に推薦するための国内暫定リストに追加、
2013年6月22日ついに世界遺文化遺産として認められました。
1992年に日本が世界遺産条約に批准した当初より、
10年にも及ぶ努力が実を結び、今回の世界遺産登録となりました。
国際記念物遺跡会議(イコモス)と富士山
富士山が世界文化遺産として登録されるにあたり、
諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)の現地調査が行なわれ、
(現地調査は2012年8月29日から9月5日に静岡・山梨両県で実施。)
その結果、イコモスよりユネスコ(世界遺産委員会)に対して富士山を
世界遺産へ登録するようにとの勧告が行われました。
その際に、問題になったのが三保の松原を含めるかどうか。
イコモスの見解では、富士山から45キロも離れているし、山の一部としての
考慮は難しいという理由から、三保の松原の除外を条件とした勧告でした。
また、同時に世界遺産への登録名称を
「富士山」から変更するようにとの提案もあったそうです。
結果、登録名称は「富士山と信仰・芸術の関連遺産群」に変更。
ただし、文化庁は名称変更には応じたものの、
三保の松原を除外するという提案には断固応じませんでした。
その結果はご存知の通り!三保の松原も含めての正式登録となりました。
三保の松原を含めて登録に至った紆余曲折は
長くなりそうなので、別の記事で詳しく書きたいと思います。