世界遺産登録抹消第一号はどこ??なぜ抹消されたの??
先月富士山が世界遺産に登録されましたが、世界遺産の中には、
一度登録されたのに抹消されてしまったケースが、過去に2件あります。
900件以上登録されているうちの2件なので、極めてレアケースではありますが、
せっかく登録された富士山に登録抹消の危険はないのか??というのも含めて、
気になったので調べてみました。まずは第一号のアラビアオリックス保護区から。
アラビアオリックスとはどんな動物??
一時期は絶滅の危機に瀕したアラビアオリックス。
ユニコーン(一角獣)のモデルとも言われる美しい動物です。
↓↓アラビアオリックスの見た目はこんなの。
手足の模様が自然界のものとは思えないですねー。
実物はもっと美しいのです◎
毛皮の美しさはさることながら、この特徴的な角や肉を狙って乱獲され、
1972年に野生のアラビアオリックスは絶滅。車の移動力がアップしたことに加え、
狩猟用の銃の高性能化がアラビアオリックスが絶滅した原因とされています。
アラビアオリックスを救え!?「オリックス作戦」
しかし、そんなアラビアオリックスを絶滅の危機から救ったのが、
1962年より始まった「オリックス作戦」という国際的なプロジェクト。
アラビアオリックスの絶滅を危惧していた動物・自然保護団体らによって、
9頭の野生のアラビアオリックスがアメリカのフェニックス動物園に集められ、
再度野性に戻すために飼育されていたので、完全な絶滅は免れました。
ちなみに参加団体は1961年設立の世界自然保護基金(WWF)や
イギリスのファウナ・アンド・フローラ・インターナショナル(FFI)などで、
絶滅の危機に瀕した動物のための最初の国際的なプロジェクトだったとか。
なぜアメリカのフェニックス動物園だったかというと、
自然環境がアラビアの砂漠に似ていたからだそうです。
(サンディエゴの動物園でも飼育されていました^^)
アラビアオリックス保護区とは??
そんなわけで、一度は絶滅の危機に瀕したアラビアオリックスでしたが、
オリックス作戦が功を奏し、1982年には中東・オマーンで自然環境に戻され、
(その場所は皮肉にも最後の野生のオリックスが銃殺された場所だったとか。)
1994年にオマーン国王によって設置されたのがアラビアオリックス保護区。
同年(1994年)に自然遺産の10番目の基準を満たしたとされ、
アラビアオリックス保護区は世界自然遺産に登録されました。
(世界自然遺産の登録基準についてはこちらをご覧ください。)
オマーン国王によって設置されたアラビアオリックス保護区とは、
その名のとおり、野生に近い形でのアラビアオリックスの保護・育成のために
制定された区域で、設置より2年後の1996年には個体数450頭にまで増加。
実にいい感じにことが進んでいると思われたものの・・・??
アラビアオリックスとその保護区の数奇な運命、
そして、世界遺産登録抹消までの経緯は次回に続きます。
アラビアオリックス保護区が世界遺産登録を抹消された経緯とは??
オマーンのアラビアオリックス保護区は
世界遺産から登録抹消されてしまったものの、このような地道な
保護活動が世界的に展開された結果、現在アラビアオリックス全体数は
大分持ち直してるようです。様々な国で野生に戻されているそうです。
アラビアオリックスは日本にいるの??
とはいえ、現在も絶滅危惧種に含まれるアラビアオリックス。
日本に初めて入ってきたのは1988年。横浜市立金沢動物園が
初めてアラビアオリックスの飼育を開始しました。
そして現在、アラビアオリックスを見ることができるのは、
金沢動物園と九州の福岡市動物園の2箇所のみ!貴重です◎